其の弐◆天空の盾◆守備力55／炎、吹雪ダメージを30軽減。使うとマホカンタの効果。
＜＜天空の盾を手に入れた直後の勇者の日記＞＞
天空の盾を手に入れるのは大変だった。
溶岩に埋まった道を爆破して、やっとたどり着いたガーデンブルグ。
ところが、盗賊の覗いていたタンスを開けてみたばっかりに疑惑をかけられて、
真犯人を捕まえてくるまでの間、人質を出さなくてはならなくなってしまった。
もっとも、人質になったアリーナ姫が
「牢に入れられるなんて初めてのことだから、ちょっと新鮮でいいかも。」
って具合に呑気にしててくれたんで、ちょっとは気楽だったけどさ。
それに、クリフトやブライがいつも以上に奮い立ってくれたような気もしたし。
サントハイム一行の力を引き出すコツはこんなところにあるのかも、等と言ったらまずいだろうけど。
日記にコッソリ書いておくだけにしよう。
ミネアの占いによると盗賊は南にいるというので、南の洞窟を探検し、奥で寝ていた真犯人を退治。
そのとたん城の女戦士が出て来て「ぜ〜んぶみてましたよ〜」なんてことをしゃあしゃあと言ってきた。
見てたなら手伝ってくれればいいのに。
僕らがちゃんと盗賊を捕まえるかどうか、監視するように言われていたそうだ。
女王は「本当は信じていたけれど、立場上そうも言えなくてごめんなさい」
ってな事を言って、おわびに天空の盾や最後の鍵をくれた。
スタンシアラでもそう思ったけど、一国のトップってのはいろいろ大変なんだな。
いちいち、発言の重みを考えて口にしなくてはならないのだろうし。
……かの世継ぎの姫は、この先そういう思慮深さなんてのを身につけていけるんだろうか？ う〜ん。
そういえば、ミネアに
「この国で学んだのは、むやみに他人のタンスをのぞかないということ……
なんて言っても、勇者さんが、そう簡単にやめるワケないですよね。いいです。もうあきらめてますから」
と言われてしまった。う、う〜〜ん………。
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