モンスターなりきり支援〜スライムナイト&ブラウニー〜

                          作:名無しさん446さま

ピエール〜スライムナイト〜

   拙者はスライム族の中でも特異な育ち方をする、
スライムナイト族のピエールと申す者でござる。
 本日は我が主人である、5主人公殿の応援に参った。
だが、少々拙者の種族に関しても述べさせて頂くので勘弁していただきたい。
 拙者の一族は、そもそも生存率が他の一族に比べて極端に低い。
何故なら、この身体の本体はあくまでスライムの部分であって、
騎士の身体の部分ではないからだ。
 むっ、スライムの形が本体ならば、このような口調でしゃべるのを可笑しいと申すか?
だが、心は常に主人に仕える騎士そのものなのだ。
よって拙者がこのしゃべり方をしているのは我が種族のプライドでもあるのだ。

 さて、少し話がそれたが、生存率の低さに戻る。
普通のスライムがある程度大きくなると、
どのような種族になるかを決める事を迫られるのだが、
スライムナイトを選択するスライムは少ない。
 何故なら、騎士の部分は強い邪心をもっており、
その芽を生やすときにその邪心に心を乗っ取られ、
人間を襲うスライムになってしまう事が多いのだ。
 さらには、芽を生やす事は強烈な痛みも伴う。
 それらに打ち勝って初めて自我を保つ事が出来るのだ。
 拙者がそこまでの危険を侵して、スライムナイトになる事を決めたのは
実は我が主人の母、マーサ様の為なのだ。
 幼いスライムの頃、あの方に並々ならぬお世話になり、
やがて悪に狙われている事を知り、その御身を護る為に敢えてその試練に身を委ねたのである。
結果、見事自我を持つスライムナイトになれたのではあるが……。
 マーサ様は自身の恋人と一緒に駆け落ちをなされてしまった。

 ショックを受けた拙者は野党に身をやつし、
日々を過ごす内に大魔王の悪しき魔力に支配され、悪の手先となってしまう。
 そんな時に拙者と戦い、正気に戻してくれたのが、我が主人なのだ。
その不思議な瞳にマーサ様の面影を感じはしたが、
よもや、その息子だとは思いもしなかった。
 だが、その偶然に今は感謝している次第である。
間接的にとは言え、マーサ様の手助けをするという、
拙者の望みは叶っているのであるから。
 そして、何より我が主人はマーサ様の面影を持つだけの青年ではない。
父親の血にも恵まれた所為でもあろう。
 奴隷時代の過酷な労働により鍛え抜かれたその筋肉は、
拙者との剣の稽古で充分に分かる程だ。
 何より、拙者が悪しき魔力に支配されていたとは言え、
剣での勝負をして破れた事があるのだ。
 この身を剣に捧げてより20年以上、あのような若者に敗れるとは思いもしなかった。
 ……このような我が主人ならば、きっとマーサ様も助け出してくれると信じている。
他の方々も応援をお頼み申す。それでは失礼つかまつる。

ブラウン〜ブラウニー〜
  おら、ブラウン。ブラウニーのブラウンっつーもんじゃ。
元々、木槌でなくて鍬を持って畑を耕してたもんだが…。
 世の中不景気で、戦に駆り出されちまっただ。
田舎の母ちゃんや、下の弟達に金さ送ってやんねえと、腹さ空かせちまうでな。
 ……そうやって、サンタローズの村の近くで働いてた所を、ご主人に拾われただよ。
「君君、腕っぷしに自信はあるかい?」
「おいおい、また勧誘かよ。よくやるなお前も」
 ……ひょっとしておらに声をかけてるべか、このニンゲンは。
「ヘンリーはちょっと黙ってて」
「ニンゲンがおらに何の用だよ?」
「あ、話を聞いてくれるのかな?ええっとね、僕の仲間になって欲しいんだ」
 どうやら本気らしいべさ。魔物のおらに声を掛けてくるなんてめんずらしい。
 試しに吹っかけてみるべか?
「ギャラ次第で、話を聞いてもいいかもしんねえ」
「う〜ん、お金かあ…。どうしてお金が欲しいのかな?」
 このニンゲンは馬鹿なのか?真面目におらの話さ、聞いとる…。
「病気の母ちゃんに薬を買ってやらにゃあかんだよ。
 そんために今出稼ぎさ、してるべ」
 話をでっちあげると(まあ、出稼ぎは本当だけんどな)
突然おらに話しかけてきたニンゲンが、手を掴んだ。
「お母さんは大切にしなきゃ駄目だよ。一体いくら必要なんだい?」
「おいおい、落ち付けよ。明らかに今のは嘘だろーが」
「だから、ヘンリーは黙っててってば。僕は今この子と話してるんだから!」
「ったく。お前はこうなったら人のいう事聞かないからな」
 そんなやりとりをしつつ、気付いたらおらの手には、
家の母ちゃんや、弟達がしばらく暮らせる額のゴールドを渡されていただ。
「じゃあ、そのお金をお母さんに渡せたら、僕の所に来てくれるかい?
 しばらくはこのサンタローズ村に留まってるからさ。……約束だよ?」
 じぃっと見詰められながら、そんな事を言われ、
そのニンゲンはおらの目の前から去っていったんだよ。
 その後、どうしたかっていうのは言わなく分かるべな。
 こんなお人よしのニンゲンを放って置けるわけねえわさ。
 結局、木槌が鍬に戻る事はなくなったけんど、これはこれで満足してるべさ。
 んじゃあ、おらのご主人、DQ5主人公に一票入れてけろ。
   

 

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