闘う者達

 
【FF7未プレイの方へ】
ケット・シーとは主人公(クラウド)一行へ送り込まれた神羅組織のスパイロボット。
(外部ですが公式設定、ttp://pacolyn.org/FF/FF7/caitsith/caitsith-art.jpg)
操縦者は神羅本社の社員リーブ。
ゴールドソーサー(遊園地みたいな場所)からパーティーに加わり、以後主人公達と
行動を共にします。
占いが趣味らしい。そして何故か関西弁。(説明書より)

タイトル:地名 の形で、作中の進行に準じて進んでいます(…多分)。



 
1:神羅ビル

「君の代わりならいくらでもいるんだよ? やる気が無いのならこのプロジェクトから降りたまえ」

 頭をもたげるその言葉。罵声と共に提出したばかりの書類が降り注ぐ――それは、
リーブの記憶に残る苦い思い出だった。


 神羅カンパニー都市開発部門の現部長であるリーブは、中年を過ぎたごく普通の男
である。職業は? と問われれば、間違いなくサラリーマンと答えるだろう。その実、
彼は給金と引き替えに労働力を提供している身であった。
 リーブが入社して数十年が経つ。彼が現在のポストにまで昇進出来たのは、ひとえに
その手腕と適性が買われての事だった。都市開発部門で働く者達からひろく慕われる
“理想の上司”。それが神羅内におけるリーブの姿だった。

 サラリーマンにとって、上司の命令は絶対である。
 それは、自分の意志とは関係なく遂行せねばならない。言ってみればそれが「プロ」
だ。その意識は同じ社内にある総務部調査課――通称タークス――のメンバーにも
共通している思想だった。
 今回、上層部が彼に対し秘密裏に命じたのが『諜報活動(スパイ)』だった。
よく考えてみれば都市開発部門の部長に任せるような仕事ではない気もする。
何より彼の性格上、本来ならば気が進まない仕事である筈だったが……。今は事情が
違った。先日の壱番魔晄炉爆破テロ事件にも関連するとあっては、自然と力も入る。

「どんな理由があろうと、多くの住民達と街を破壊する行為を許せる筈はありません」

 対策会議の席上、彼が言い放った言葉が印象的だ。
 その熱意を買われ、今回この任に抜擢されたのだった。

2:ゴールドソーサー〜コレルプリズン
 
  『当たるもケット・シー〜、外れるもケット・シー〜。どや? 占ってみるか?』
 …………。
 いくら敵に正体を悟られまいと演技すると言っても、故郷の訛を使い、戯けたキャラ
クターを演じるのには抵抗――少なくとも、社内の人間には見られたくない姿だった。
 元々、入社した直後に上司から「訛を治せ!」と怒鳴られ馬鹿にされて以来、彼は
必死に標準語を覚えた。捨てたはずの故郷の訛が、こんな所で役に立とうとは……。
皮肉げな笑みを浮かべながら、遠隔地にいるケット・シーの操作を続ける。
 自分の行為に対して引っ掛かりが全く無かった訳ではない。だがそれ以上に結果を
求められる立場にあった。形振りなど構っていられない、と言うのが本音だった。

 無事に彼らとの接触を果たした直後に訪れたのが、砂漠の監獄・コレルプリズン。
そこでリーブが見たのは、忌むべきテロ首謀者・バレットの過去。

 携わる仕事が都市開発と言う性質上、魔晄炉が住民にもたらす恩恵や経済効果など
『数字』に関しては誰よりも熟知している。魔晄炉誘致に関する裏取引も……確かに
あった。だが。
 だが彼がここで直面したのは、そんな物よりももっと生々しい現実だった。自分が
組する『神羅』という組織が引き起こし、やがて隠蔽された悲劇。
 そこで繰り広げられていたのは、数字やデータの遣り取りではない。人の生き死に
という度し難いものだった。

「私は……今まで私がして来た事は……」
 ――何だったんや?!

 彼はミッドガルの建造から携わってきた。人々の要望に応え、住みよい街を創る。
それが自分の信念であり、何よりも支えだった。そしてそれは結果として形に現れた。
 けれど。
 彼が見ていたのは、現実のほんの一面に過ぎない。
 長年をかけて積み上げてきた自信。それに裏打ちされた信念は、この時音を立てて
崩れはじめたのだった。


 
 
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