アルス一行のお買い物 (本スレ803さん)
 

「なあ、ガボ、本当にそれが着たいのか?」
防具屋の店先で、アルスがこう尋ねるのは3回目だった。
「うん。おいら、強い装備をなかなか着られないから嬉しいぞ。それにカッコイイだろ、これ?」
………無邪気に瞳を輝かせて聞くガボに、困ってしまうアルス。
「カッコイイ、か?」
「うんっ とっても綺麗な色だし、なんたって亀さんの格好になれるんだぞ。 アルス知ってるか? 亀さんは物知りなんだぞ。おいら、馬鹿だからあこがれてるんだ」
「……わかったよ」
ガボが余りにも嬉しそうなので買う事にしたが、マリベルが同行していたら絶対に買わなかったような、どぎつい緑色の鎧だ。後で何を言われるかわからないな、と思いながら、アルスは支払いを済ませた。
ガボは人目も気にせず、店先で鎧を着込んでいる。よほど嬉しかったのだろう。 まず両足を通して、それから両手とアタマを通して。 ほどなく、大きな緑色の亀が誕生した……違った、亀のこうらをかぶった狼人間だ。
「嬉しいな、おいら、亀さんみたく賢くなれるかなっ!?」
「賢くなる鎧ってのは聞いた事がないぞ?」
「そうか〜、それは残念だ。でも、かっこいいだろ?」
ぴょんぴょん跳ね回りながら進むガボに苦笑しつつ、アルスは指摘した。
「でもガボ、それ、またカッコよさ下がってるみたいだぞ?」
「ええっっ あ、本当だ。なんでだ〜、おいらがかっこいいと思う服って、 どうしていつも『カッコよさが下がりました』ってなっちゃうんだ?  人間にはこの鎧や、ステテコパンツのかっこよさがわからないのか?」
「う〜ん……」
ガボの美的センスがアルスやマリベルと違うのはいたしかたないのだろうが。
狼としての美的センスはどうなのだろうか。
今度木こりに通訳してもらって、ガボを育てた雌狼に聞いてみよう。

「……ちょっっと、アルス! あんたガボになんて格好させてんのよっっ」
案の定マリベルの罵声が飛んで来た……。アサシンダガーの一撃を食らう前に逃げろアルス!

★☆★ ガボの装備はカッコよさがマイナスになるもの多し
(亀のこうらは-15、ステテコパンツは-100)
でも、私はそんなガボが大好きです!

 

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