ドラクエ7のテーマは「人は誰かになれる」でした。
カシムは、何になりたいのか、書いてみました。

太陽になりたかった男」 (本スレ650さん)

私にとって彼女は、希望であり太陽、だった。
ダーマ神殿を守護する騎士の生き残り。恥ずべき生き残り。それが出逢った時の私。
多くの者が大神官を守る為に命を失う中、私は生き残り、そしてあの町に飛ばされ
。希望を失ってあらくれる者ばかりの町で、私の友は酒しかなく。
そんなすさんだ町を暖かく照らしていた女性。それがネリスだった。
彼女に認められる男になりたい。
ただ、それだけの思いが、私を酒びたりの日々から脱させた。
騎士としての誇りを取り戻し、再び立ち上がる気力と勇気をくれた彼女に、感謝している。

アルスたちの助力によって、私はフォズ大神官を救い出し、ダーマを再び取り戻した。
だが、その時には、ネリスの弟ザジはひとり旅立つ事を選んでいた。
私にネリスを託して。
あれ以来、ネリスは臥せりがちだ。
ザジはネリスを自分から自由にする為に旅立っていったが、かえって彼女の気持ちは
凍り付いてしまったようだ。
私がそばにいても、彼女の救いにならないらしい。
……私は彼女の太陽ではない、ということか。

ダーマ再建の職務を与えられ、それなりに忙しい日々の中。
先輩騎士たちとの関係もうまくいかず、自分への失望は募るばかりだった。
そんな時、アルスたちが久しぶりに来てくれた。
なんと、ガボが、伝説の職業・勇者に転職するのだという。
驚いた私は、そんな彼らがまぶしくて、思わずこう言っていた。
「キミたちもオレといっしょに はたらいてみないか?」
………私は馬鹿じゃないかと思う。アルスたちがいてくれればうまく行く気がしたからって……。
アルスは優しいから、馬鹿を言った私を気遣って「はい」と答えてくれたが、
即座にマリベルに頭突きをくらって痛そうだった。あわてて言葉を探した。
「やさしい返事だな。でも ムリだと わかっていて聞いたんだ。わすれてくれ。
キミたちには ほかにしなければならないことが たくさんあるんだものな」
自分でこういいながら、気付いた。
私は自分で自分の情けなさにため息をついてばかりいたが。
だが、私のしなければならない事は、この神殿を守り、フォズ大神官を支え、
そしてそしてかなうことならば、ネリスと共に生きる事だ。
くよくよとため息をついていては、ダメだったな。
ごめんな、アルス。私ひとりで頑張ってゆくよ。
魔物たちの手から自分の力でネリスを取り戻したあの時のように。
そして、いつか、ネリスの太陽になりたいと、思う。
私を照らしてくれた彼女を、今度は私が照らしてゆけるようになりたいと思う。

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