モンスターなりきり支援〜スライム&魔法使い〜

                          作:名無しさん446さま

スラリン〜スライム〜
 

ボク、スライムのスラリンって言うんだよ。
今日は5主人公、つまりボクのご主人サマの応援に来たんだ、エヘヘ。
じゃあ、いくよ?

 最初にご主人サマに出会ったのはね、オラクルベリーの町のすぐ側だったよ。
町の近くで、ボク達の群れは、強そうな旅人さん達に遭遇してしまったんだ。
びっくりして動けなくなってしまった間に、他の仲間は逃げ出してしまって、
ボクだけが、その場所に取り残されてしまった。
 けど、旅人さんの一人が、怯えてその場から動けなくなってしまったボクに優しく語り掛けてくれた…。
「ねえ君…僕の仲間になってくれないかい?」
 その旅人さんから掛けられた、思いがけない言葉に振りかえると、
僕の前にとっても優しそうな瞳をした男の人がいたんだ。
「よかった。君はちゃんと僕の言葉を聞き分けてくれそうだ」
「お兄さん、どうしてボク達を倒しちゃわないの?」
「う〜ん、今まではそういうモノだと思っていたんだけど、
 僕には君達と心を通わせる力があるらしいんだ」
「そんな話聞いた事ないよぉ……」
「あはは。まあ僕もそうだと思っていたんだけど。
 ホラ、僕と君はこうして話しているだろう?」
 その時男の人が向けてくれた笑顔は、すっごくキレイだった。
男の人にキレイって言うのもヘンだけど、ボクはそう感じたんだ。
「うん…分かった。こんなボクでよければよろしく」
 気付いたら、そう返事をしてしまっていた……。

多分、ボクはその邪気のない笑顔にやられてしまったんだと思うよ。
だって、今まで見てきたニンゲン達の中で、あんな人はいなかったからね。
 そんな男の人、つまりご主人サマの後ろでは、やれやれといった様子で
もう一人の旅人さんがかぶりをふっていた。
 ひょっとしてこの人はお人好しなのかな?
だってボク達みたいなモンスターと仲良くしたい、
なんて思うニンゲンなんて、そうはいないもんね。
 その事は初めてモンスターとして仲間なったから、
ご主人サマの行動を通じてたっぷり知る事になったんだけど。
(あ、本当の一番最初は、キラーパンサーのあの子かな)
 という訳でニンゲンの中ではとびっきりお人好しかもしれない、
ボクのご主人サマに一票おねがい!

 

マーリン〜魔法使い〜
 

ワシは、魔法使いのマーリンと申す老いぼれじゃ。
5主人公殿とは、随分長い付き合いをしておる。
さらに正確に言うと、その子供達というのが正解じゃな。
 5主人公殿とは、あのキラーパンサーが住みついておった、
カボチ村の西にある洞窟で出会ったのお。
 あの若者が率いるパーティとの戦い破れた後に、向こうから
「僕のパーティには魔法が得意な者がいないのでよろしかったら…」
と、言われた時には驚いたもんじゃが、
ワシもあそこにいるのに飽いておったもんでのお……。
 さらなる呪文の智識の探求の為に、二つ返事で引きうけたわい。
 その後、この若者と一緒に旅をしておったんじゃが……。
旅を通じて、その人となり知る内に、すっかり惚れこんでしもうた。
 最近には珍しい苦労人と言うのもあるが、奴の目が何よりモノを言っておったな。
何かを成し遂げる、という心意気を持った若者と共におるのというのは、
こんな老いぼれにも活力を分けてくれるものじゃ。
 
 途中まで旅は順調だったがの、奴が家庭を持ち、子供をもうけた辺りから
雲行きが怪しくなりおった。
 嫁が魔物にさらわれ、それを追った奴は行方不明になってしもうたのじゃ。
ワシは子供のお守りに、と奴の城で待機しておったので詳しい事は解らなかった……。
 その後、奴の行方を探す為に城の多くの兵士達が、外へ出かけて行ったが…
よい便りは中々聞こえてこんかった……。
 が、そうこうしておる内に、子供達が大きくなり始めての、
ワシとサンチョ殿は子育てに追われる事になったのじゃ。
 …まさかこの年になって子育てをするハメになるとは思わんかったが。
 ともあれ、子供達はすくすくと育っていきおった。
ワシとサンチョ殿が、子守唄代りに奴の冒険の旅の話を聞かせた所為もあるが、
子供達はやがて、自分自身を鍛え、自らの父親と共に旅する事を望んだのじゃ。
 そこでワシが呪文を教えたりしたんじゃが、これがまた稀有な才能をもっておった。
途中からその相手をするのが、この老骨ではキツくなってきた程じゃ。
 めきめきと力を付けていったが…、中々肝心の奴の行方は知れず……。

この時の子供達は見ていて可哀想だったのぉ。
 なにせ子供達の瞳は、未だ見ぬ父への憧れでいっぱいだったからの。
 そうして、無駄足を多く踏み、徐々に積もらせた情報が成果を結んだ頃、
年の割に大人び、強さにも自信を持った子供達は、奴を見付ける事が出来たのじゃ。
 城に帰って来た奴が、以前と変わらぬ様子であった事を確認した時は、
ワシも年甲斐もなく、涙したものじゃ。
 何より、その嬉しそうな子供達の笑顔にな。
もっともその顔は涙と鼻水でぐじゅぐじゅだったがのぉ。よきかな、よきかな。
 では皆の者、この親子達へ、何より奴、5主人公殿に一票をよろしく入れてやってくれい。

   

 

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