ボク、スライムのスラリンって言うんだよ。
今日は5主人公、つまりボクのご主人サマの応援に来たんだ、エヘヘ。
じゃあ、いくよ?
最初にご主人サマに出会ったのはね、オラクルベリーの町のすぐ側だったよ。
町の近くで、ボク達の群れは、強そうな旅人さん達に遭遇してしまったんだ。
びっくりして動けなくなってしまった間に、他の仲間は逃げ出してしまって、
ボクだけが、その場所に取り残されてしまった。
けど、旅人さんの一人が、怯えてその場から動けなくなってしまったボクに優しく語り掛けてくれた…。
「ねえ君…僕の仲間になってくれないかい?」
その旅人さんから掛けられた、思いがけない言葉に振りかえると、
僕の前にとっても優しそうな瞳をした男の人がいたんだ。
「よかった。君はちゃんと僕の言葉を聞き分けてくれそうだ」
「お兄さん、どうしてボク達を倒しちゃわないの?」
「う〜ん、今まではそういうモノだと思っていたんだけど、
僕には君達と心を通わせる力があるらしいんだ」
「そんな話聞いた事ないよぉ……」
「あはは。まあ僕もそうだと思っていたんだけど。
ホラ、僕と君はこうして話しているだろう?」
その時男の人が向けてくれた笑顔は、すっごくキレイだった。
男の人にキレイって言うのもヘンだけど、ボクはそう感じたんだ。
「うん…分かった。こんなボクでよければよろしく」
気付いたら、そう返事をしてしまっていた……。
多分、ボクはその邪気のない笑顔にやられてしまったんだと思うよ。
だって、今まで見てきたニンゲン達の中で、あんな人はいなかったからね。
そんな男の人、つまりご主人サマの後ろでは、やれやれといった様子で
もう一人の旅人さんがかぶりをふっていた。
ひょっとしてこの人はお人好しなのかな?
だってボク達みたいなモンスターと仲良くしたい、
なんて思うニンゲンなんて、そうはいないもんね。
その事は初めてモンスターとして仲間なったから、
ご主人サマの行動を通じてたっぷり知る事になったんだけど。
(あ、本当の一番最初は、キラーパンサーのあの子かな)
という訳でニンゲンの中ではとびっきりお人好しかもしれない、
ボクのご主人サマに一票おねがい!
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