ガイコツ支援 Ver.ヨシュア(本スレ474さん)
 
 
分かっていた。
ここから自力で逃げ出す事なんて到底不可能だ、という事くらい。
しかも、奴隷を逃がした罪で、こんな所に捕われていたのでは、万に一つの望みもあるはずがない。
そう、そんな事くらい分かっていた。
けれど、やはり心の何処かでは『もしかしたら』という思いを捨てきる事が出来ずにいた。
それは、妹に会いたいという想いのさせたこと。
彼が逃がした三人の奴隷のうち、一人は彼の妹だった。
その妹が無事で居るか、幸せな日々を送ることが出来ているのか、それが気がかりだったから、
彼は『もしかしたら』という思いを捨て切れないで居たのだった。

けれどさすがにもう無理だ。
食事どころか水もろくに与えられず、鞭に打たれ、彼の身体はもはや朽ちかけてさえいた。
遠のく意識をどうにか引きとめ、彼は鎖に繋がれた手を僅かに動かす。
食事の代わりに肉を食ったせいで、覗く小指の骨を見て、無性におかしさがこみ上げてきた。
俺は何故ここまでする?
と。
しかし同時に、そうしてでも生き延びて会いたかった妹の顔がよぎる。
すまない・・・
もう、口では伝えることが出来ない思いを壁に残す。
万に一つ、誰かがこれを見つけ、妹に伝えてくれるという望みに賭けて。
「おれはもうだめだ
マリア、おまえは しあわせに・・・」
黒く濁った自分の血文字を見て、彼は僅かに苦笑した。
けれど、それはすぐに穏やかな笑みへと変わっていった。
彼の手から力が抜けて行くのと同じ速さで・・・
 
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