アルス支援SS(
本スレ140さま作)
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140 |
- 始まりは・・・
ほんの小さな、好奇心だったんだ
未知なる石版。未知なる遺跡。そこから何か不思議な世界が垣間見える気がした
たった一つの島と呼ばれた、このエスタード島から飛び出す何かが。
そこに隠されている謎は何だろう?
胸をワクワクさせながら、僕は遺跡へ飛び込んだ。親友達と手を取り合って。
僕の冒険。僕の進む道。
その時僕は・・・そう、そんなちょっとした物語に出てくる勇者のような気持ちになって
そこへ飛び込んでいったよ。恐れも何も知らないで
たどり着いたそこはまるで知らない土地。見たこともない世界だった
晴れない空。花の咲かない、荒れ果てた大地。辛く沈んだ人々の顔
助けなきゃ、救わなきゃ・・・そう思ったのは僕のそんな勇者ぶった心がそうさせたのだろうか
それでもよかったんだと、思う。それで人が救われるのならば。
でも、結果はこれだ
僕は助けてやれなかった。その大地を支配していた魔物を
いや・・・かつて兄を見殺しにされた憎しみで魔物に姿を変えてしまったという女性を。
人間だった頃は、墓に供える花を探していた、優しい人だったというのに
僕はその人と戦い、殺した・・・死なせてしまったんだ
本当にこれでよかったのか?・・・苦い思いが、しばらく消えてくれなかった
そうすることでしか空に光を取り戻すことができないと、わかってはいても。
- 馬鹿だろう?こんなことになるまで気づかなかった。考えもしなかったんだ
『冒険』は賭けのようなもの。差し出す物は『命』 己の命と、相手の命
戦うということは、殺すということ。あるいは殺されるということ
冒険とは命をその刃に乗せて進む、茨の道のりだということを
僕はわかってなかった。現実は、おとぎ話なんかじゃないということを
『みんな幸せに』 そんな甘い言葉は物語の中にしかないことを
戦うことの辛さ。勇者の哀しみ・・・そんなことも、僕はわからなかったんだ
悔しかった。こんなに辛いものだとは思わなかった。
でも、もうイヤだなんて言うものか。
死なせてしまったから、人の心の痛みを知ったから
だからこそ、逃げるものか
その先にある『何か』が見えたから
あの大地を支配していたのは確かにあの人だった
でも、大地を暗闇に閉ざした張本人は、彼女じゃない
そんなこと人間に出来るわけがない。人間を魔物に変えるという術自体もだ
まだ後ろに何かがいる。とてつもなく大きな闇を持った何かが
そいつは・・・笑っていただろうか?
僕ら人間同士の争いを見て、ほくそえんでいたのだろうか
・・・いいさ。笑われたってかまわない。
僕には力がない。あの闇を止める力が、今の僕にはない
でも、いつか。いつになるかわからないけど
いつか、必ず・・・僕はそいつを突き止めてみせる。その闇を振り払ってみせる
それが、僕の誓い。それこそが、僕の戦い。僕の冒険
- この始まりの冒険の中で、一つだけいいことがあったよ
あの大地が、僕たちの世界の中に帰ってきたんだ
たった一つの島と呼ばれたエスタード島は、もうたった一つじゃなくなった
その島は、もうあの時のような暗闇じゃない。光が差し込んでくる
そして花が咲いている。生前あの人が望んでいた花が咲いている
僕は、守れなかった。あの人を救ってはやれなかった
だから、せめてこの空を、花を、この目に映る人々を
僕は自分の力の限り助けていきたいと思う。
僕の手は小さい。強くもなければ大きくもない
全てを救うなんて偉そうなことを言ってみせたってきっと出来やしないだろう
だから・・・せめて、守れる限りの物は、守っていこうと思う
これからもきっと何度もくじけそうになるだろうけど
だけど、どんなことがあっても、守りたいという気持ちだけは、忘れない。絶対に
始まりは、ほんの小さな好奇心
だけど、いつか必ず世界を変えてみせる。この、まだ小さな僕の手から
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